「密約」

外務省元局長「沖縄密約」認める 東京地裁で証言

昨日のこのニュース、「ああ、政権が交代するって、こういうことなんだなあ」と感慨深く聞きました。
外務省元局長の吉野氏には守秘義務があるため、外務大臣の証言許可がなければ法廷で証言できませんでした。自民党政権下ではありえなかったであろう証言。

そして、2006年に読んだこの本のことを思い出しました。

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

澤地 久枝 / 岩波書店



以下、読んだ当時に私が別のところに書いていた日記より抜粋。

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28年ぶりに復刊された本書。
一気に読了。
今年読んだ本の中でNo.1かもしれない。

外務省機密漏洩事件、いわゆる「西山記者事件」。法律をかじった者であれば憲法の判例として事案と最高裁判旨を知らない人はいない。

もちろん、受験用知識としてはそれで十分。
が、日本人として考えるべきこの事件の本質を、澤地さんは誠実な取材と素晴らしい筆力で教えてくれた。

アメリカと日本政府との沖縄返還交渉の過程で「密約」があったことは、アメリカ側の外交文書開示等で明らかにされている。にもかかわらず、未だに日本政府はそれを認めていない。

国民に嘘をつき、国民の税金を使い、国民よりもアメリカの利益を図る政府。

そして、国が国民を騙した、という事実よりも、一組の男女の不倫関係というワイドショー的話題に着目して盛り上がるマスコミと国民。

なぜ国民はもっと怒らなかったのか。
なぜマスコミは事の本質を伝えようとしなかったのか。

日本に民主主義なんて機能してないことがよくわかる。

「もし民主主義が国家の基本則であって、みせかけだけのごまかしでないのならば、国民は真実を知る権利があって、当然その権利を実現するための知る努力を必要とする。
 日本では、残念なことに、事は概ねこうはなっていないのである。民主主義はうわべだけのことに過ぎず、国民は知る権利があることを知らず、知っていても知ろうとする努力を怠っているのが一般である。」(五味川純平氏の解説より)

きちんと知る努力をし、自分で考え主張していくこと。
不正に対し正しく怒ること。

自戒をこめて。

未来の日本人に「その時いったい何をしてたの」と言われないために。
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いやあ、若いですねえ、私(笑)。ほんの3年前ですが。

今回のこのニュースを聞いて、感じたのは別のこと。

吉野氏は47年12月、西山氏が被告となった外務省機密漏えい事件の公判で検察側証人として出廷し、密約を否定。西山氏は有罪判決を受けました。

40年ぶりに会ったという西山氏と吉野氏は法廷で握手を交わしたそうです。
そこで交わされた会話。
吉野氏の証言について「大変な決意と勇気」と語る西山氏。
そして西山氏の「信念が素晴らしい」と吉野氏。
西山氏、吉野氏それぞれの人生におけるこの事件の重たさ。

人としてどう生きるか。

テレビの映像を通してみるお二人の姿に、私はとても良いものを見せていただいた気がしました。
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by osorae | 2009-12-02 05:59 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)

私(りか)と夫よーへーさん、娘のそらちん&おはるの四人家族。そのどうってことのない日々のあれこれ。


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