カテゴリ:私の読書日記( 54 )

人生は

人生は、意外とすてき 私をいつくしむための50のレッスン

レジーナ・ブレット / 講談社

今年4月頃に雑誌の書評で見て図書館に予約していた本。図らずも私の誕生日直前に「ご準備できました」の連絡。素晴らしいタイミングで読み始め誕生日翌日に読了。これもまた巡り合わせ。

著者はアメリカのコラムニストです。

11人の兄弟姉妹の中で、神様は自分が生まれた時にまばたきしていて、その存在に気づかなかったのだと思いながら育ち、
21歳で未婚の母となり、生活のために働きながら自身の夢であるジャーナリズムを学ぶため大学を30歳で卒業、記者としての仕事をはじめ、何度も拒絶されながらも"I'm a columnist who just doesn't happen to have a column yet"「私はコラムニスト。ただ、今はまだ担当コラムを持っていないだけよ」との心意気で書き続け、
38歳で紙上でコラムを執筆するチャンスをつかみ、
40歳で結婚し、
41歳で乳がんを患い、2年間の闘病生活をおくり、
50歳でこの人生で学んだことをコラムとして執筆、
54歳でそのコラムをまとめたこの本を出版。これが初めての著書。

自分をいつくしみ、日々をいつくしみ、人生をいつくしむ言葉に溢れる全50章。
目次を読むだけでも心にズンとくる言葉がいくつもありました。

「生きる道がわからないなら、次の一歩だけ踏み出す」
「人の人生の『表面』と自分の人生の『内面』を比べない」
「時間に時間を与えよう」
「かなわない望みはない。全部いっぺんにかなわないだけ」
「幸福とは、すでに持っているものを必要とすること」
「どんなに最悪な気分でも、起きて、着替えて、顔を出そう」

今の私と同じ41歳で、ガンを患った著者。
当時つくったという「50歳になったらやりたいこと50のリスト」を紹介している章がありました。「50歳の誕生日を迎えられるなんて思わなかった」「年齢を重ねられるとはなんと幸せなことか」と。

原題は「God Never Blinks」(神様は決してまばたきしない)。

God Never Blinks: 50 Lessons for Life's Little Detours

Regina Brett / Grand Central Publishing

(翻訳された日本語も素晴らしいのですが、著者自身の言葉でも読んでみたくなり原著を購入してしまいました)

どんな命の誕生も祝福されるべきであって、祝福され歓迎されてこの世に生まれてきている。辛いことや理不尽に思えることは山ほどあるけれど、神様は決してまばたきなどしないのです。

だからこそ、まずは自分をいつくしんで。

たまたま同時期に読んだこちらの著書。

Q人生って? (幻冬舎文庫)

よしもと ばなな / 幻冬舎

よしもとばななさんが、読者からの人生相談へ回答したものをまとめた一冊です。

女性が社会で働くうえで何を心がけたら心身共に健康でいられるか、との質問に答え、ばななさんも言ってます。

「もしも神様みたいなものがいるとしたら、完璧な、非のうちどころのないあなたをどこかでじっと見ていて、いつかいいことを返してくれるのではない。残念だけれど、人の心の法則を見ていると、そうではないのです。
 むしろ、とにかく無理をせず、どこかゆるくて、自分を愛していて生き生きしてるあなたのほうを応援して思わぬラッキーをくれるのです」(pp70-71)。
「結局は、どこまで己を捨てず己を愛しながら、ちょっとてきそうさも取り入れ、完璧だという評判から常にダッシュで逃げつつ「もらうお金よりもちょっとだけ多く働くか」です」(p73)。


ばななさんつながりで、こちらもよかったですよ。

ホ・オポノポノ ライフ  ほんとうの自分を取り戻し、豊かに生きる

カマイリ・ラファエロヴィッチ / 講談社

本本編そのものも、もちろん興味深くじっくり読んで考えさせられてちょっと救われましたが、なぜか一番心に残っているのは、巻末に収録されている著者とばななさんの対談中、ばななさんのこんな趣旨の発言。

「子育ては、ふんどしいっちょうでジャングルに入って行くようなものですから」

「うんうん、そのと〜り(これ、最近のそらちんの一発ギャグ。出典不明)」。
かっこつけようがないし。
いざとなれば丸腰でも闘わねばならないし。

子育ても、人生も。

ふんどしいっちょうの自分でもいつくしみ愛していこうと思うのです。なかなか難しいんですけどね。
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by osorae | 2011-10-04 05:56 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(2)

「人生のきほん」

佐野洋子対談集 人生のきほん

佐野 洋子 / 講談社

出産後、入院中に最初に読んだ本。昨年亡くなった佐野洋子さんの最後の対談集です。

佐野洋子さんは、絵本『100万回生きたねこ』の作者として知られていますが、私は彼女のエッセイが好きで良く読んでいました。また、昨年読んだ自伝的小説『シズコさん』にはかなりの衝撃を受け、母娘関係について考えを巡らせるきっかけになりました。

この対談集は、佐野洋子さんが、西原理恵子さん、リリー・フランキーさんそれぞれと、人生、夫婦、家族、子ども、仕事などについて語り合ったもの。三人とも同じ美大出身というご縁があるそうです。

残念ながらリリー・フランキーさんと予定されていた2回目の対談が実現することなく佐野さんは逝ってしまい、リリー・フランキーさんによる追悼文が収録されています。


母の娘としての、そして息子の母としての、佐野さんと西原さん。
息子の母としての佐野さんと、母の息子としてのリリー・フランキーさん。

母との確執を抱えて育った佐野さんと西原さん。
一方で、母に「本当に、くまなく愛され」て育ったという実感を持つリリー・フランキーさん。

それぞれに興味深い人物である、ということに加え、この対談を面白くしているのは、この組み合わせの絶妙さだと思いました。

そして、佐野さんの話す「人生のきほん」は、佐野さんが亡くなった今、更に真実みを持って私の心に響きました。ガンを患って以降の晩年の佐野さんのエッセイなどを読んでいたので、なおさらでした。

 人間も動物だから、一生なんて、息して、ごはん食べて、うんこして、子ども産んで、死ぬっていうだけなんだよね。
 そんな生活の中に、おもしろいことや楽しいことや素晴らしいことが、その人なりに詰まっていて、その時間を生きて死ぬだけだと思ってるの。この本(注:『100万回生きたねこ』のこと)に描かれているのは非常に平凡な人生。でも平凡な人生を全うするのは、ものすごく至難の業だと思うのね
。(pp11-12)

 生まれてくるのも死ぬのも、自分の意志ではないわけでしょ。"生きる”というのは、死ぬまでのひまつぶしという感じがするんです。たいしてみんな、意味のあることをしてるっていうわけじゃないんだよね。
 だけど生きてると、くだらないことがおもしろかったりするじゃん。そうすると、やめられない。想像もしなかったような、小さな、くだらないことが、すごくおもしろかったりするじゃん。だから生きてみなきゃ、わからないんだよね
。(p162)

 子どもって、いつ泣くかわかんないし、全然自分の思いどおりにいかないんだよね。初めて私、「思いどおりにいかない」と思ったのが子どもだった。思いどおりにいかないことを思い知るってことは、すっごい大事なことだね。女だからそう思うのかもしれないけど、ごく普通の人が一般的にやっていることって、人生の基本だと思うね。(p231)

そして、西原さんの、亡くなった元夫鴨志田さんに対する言葉には、先日観た映画『毎日かあさん』の場面と重なり、涙が出ました。

「君に出会えて、幸せな人生だった。ありがとう」と言って、亡くなったんです。これって、「幸せに死にました」という『100万回生きたねこ』の結末と重なってますよね。「それから二人はずっと幸せに暮らしました」なんて話が、この世にあるわけないじゃないですか。生きていればいやなことしかないんだから。でも彼、幸せに死ねたんです。(p19)

他にも、三人三様のお金観、仕事観、子育て観など、含蓄あるお言葉が満載。
産後最初に読む本として、なかなか良い選択だったなあと思います。
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by osorae | 2011-03-11 04:25 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(4)

詩人からの回答

谷川俊太郎質問箱

谷川 俊太郎 / 東京糸井重里事務所



「あのね、お母さん、
 言葉で問われた質問に、
 いつも言葉で答える必要はないの。
 こういう深い問いかけにはアタマだけじゃなく、
 ココロもカラダも使って答えなきゃね。」 (p.19)

(「どうして、にんげんは死ぬの」と6歳の娘に問われたお母さんへ、詩人谷川俊太郎さんからの回答の抜粋)
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by osorae | 2011-02-17 23:59 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)

ごはんのことばかり100話とちょっと

よしもと ばなな / 朝日新聞出版

家族のために作ったお家でのごはん、お気に入りのお店でのごはん、友人に作ってもらったごはん、などなど、よしもとばななさんが日々の食べることを通じて感じたままを書かれたエッセイ集。

特に息子さんの食に関しての部分には、私が漠然と感じていたことをことばにしてもらってすっきりした部分がいくつかありました。

「人に作って食べさせるということは、『相手のそのときの気分や体調でいくら残されても平気』という基準を自分の中に持つことである。その人の口には合わなかったかもしれないし、たまたまおなかがいっぱいだったのかもしれないし、とにかく自分は精一杯やったと言えるということだと思う。
 子どもは好きなときに好きなものを好きなだけ食べて残す。これまでの彼氏の中でいちばん厳しく残す人かもしれない!
 それをいちいち気にしていたら、身がもたないということが体でわかった気がする」(pp65-66)


ばななさんお気に入りのお店の話もたくさんでてくるのですが、何より印象に残ったのは、ある沖縄そばのお店に関する記述。お料理のはなしではなく、働く姿勢について。

「その人たちはその仕事に東京で飲食店をしている人たちにありがちな、異常なまでの誇りを持っているわけではないけれど、働くことを人生の大事な部分と思っていて、勤勉だけれど変に先々に対して野望など持っていない。暮らしていく上でのことを淡々とやっていて、人として間違ったことはなにもないって感じ」(p35)

すごくよくわかります。
私が好きなお店もそういうお店。そしてそういうお店は絶対おいしい。
どんなお仕事にも通じるあるべき姿勢だと、自戒を込めて手帳に書き留めました。
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by osorae | 2011-01-16 05:05 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(2)
昨年来、西原理恵子さんの作品に注目しているのですが、先週読んだこの著書、私の中で早くも「今年読んだ本ナンバー1」を争うであろう1冊になりました。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

西原 理恵子 / 理論社


このヤングアダルト向けの「よりみちパンセ」シリーズは、以前から好きで何冊か読んでいるのですが、今回あまりにも感動し、すぐによーへーさんに「これ読んで!」と推薦。彼もその晩に読み終わって「これはいい本だよ」との感想。今回は図書館で借りて読んだのですが、これは買って手元においておこうと決めました。そらちんが中学生くらいになったら読んでくれるといいなと。

西原さん自身の生い立ち、また西原さんの元夫で亡くなった鴨志田穣さんのこと、彼と一緒に巡ったアジア諸国で見た貧困状況、それらを通じて著者が経験してきた、お金、貧困、働くということ、生きるということ、それぞれをめぐるきれいごとではない現実が書かれています。でも決して悲観ではなく、人生に楽観と希望を見いだし、「お金」そして「お金がない」とは「お金を稼ぐ」とはどういうことかを軸に、働くこと、生きることの本質を伝える一冊。

特に子どもたちに読んでもらいたい(私が学校の先生だったら絶対教え子全員に薦めます)本ですが、就職活動中の学生のみなさんや、仕事の「やりがい」なんかに悩んでいる大人たちにも、お薦めだと思います。

今回は感動した箇所の引用はあえて割愛。
是非読んでください。全部読んで、そのうえで、(本当はご紹介したくてうずうずしている)最後の227頁以下を是非読んでみてください。

こんなふうに本当に大事なことをごまかさずに本気で伝えてくれる大人の存在って、子どもにとってとても大きいと思う。私もそんな大人になりたいです。


実は私、昨年秋頃からサイバラブーム。

昨年末には、西原さんの自伝的作品「女の子ものがたり」のDVDを観ました。

女の子ものがたり [DVD]

ポニーキャニオン

女の子たちが、逃れられない毎日の中で自分を傷つけながらもくったくなく笑う姿に、鼻の奥がツンとするような切ない気持ちになりました。

そして、これも昨年末、たまたま図書館で見つけて読んだ「ゆんぼくん」。

ものがたりゆんぼくん (上) (竹書房文庫)

西原 理恵子 / 竹書房

お母さんとその息子ゆんぼくんの物語なのですが、もう、あらゆる登場人物に感情輸入して、読みながらひたすら泣きっ放しで、下巻の最後では嗚咽を上げながら号泣。「人間って哀しいね。だってみんな優しい。それが傷つけあってかばいあって」と、誰かの歌の文句が思い出されました。間違いなく名作。

ちなみに、西原さんと元夫鴨志田さんのアルコール依存症との闘いを描いた映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」が最近公開されていて、観たかったのですが残念ながら神戸ではもう終了してしまったようです。DVDになったら必ず観たいと思います。

2月には、やはり西原さんの著名な「毎日かあさん」の映画が公開されるので、こちらは出産前に観に行きたいと思っています。

私のサイバラブーム、当面続きそうです。
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by osorae | 2011-01-15 04:47 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)

たかが姓、されど姓―家族の変化と民法改正の焦点

杉井 静子 / かもがわ出版

このテーマについて書き始めると、ちょっとやそっとでは終わらないし、このブログの趣旨にも合わないので詳細は書きませんが、「姓」の問題は私から切り離せないテーマの1つです。

一時期、この問題についてはあらゆる書籍を読み尽くし、考え尽くしたので、この手の本を手に取るのは本当に何年か振りでした。選択的夫婦別姓制度導入等、現行民法の家族法部分に関連する論点と、これまでの議論の流れなどが簡潔にわかりやすく書かれており、議論の全体像理解に最適な一冊です。

法制審議会から選択的夫婦別姓制度の導入を含む民法改正要綱の答申がされたのが1996年。当時、近いうちに実現!と期待していたのにも関わらず、国会に上程もされず、その後、すっかり忘れ去られたかのような状態に。この間、今日まで、非嫡出子に関する規定や女性の再婚期間の規定から生ずる問題がいろいろとクローズアップされることもありましたが、民法改正の話は全く進まず。

そして、一昨年の政権交代。私はかなり期待していました。連立政権(当時)の社民党の福島党首は事実婚実践者。そして、当時の千葉法務大臣が民法改正案の概要を固め国会に上程、成立を目指すとの報道がなされ、おお〜ついに、今度こそ、と思ったものです。それもつかの間。


私個人の問題に限れば、法改正そのものはもうどっちでもいいや、という気分。法的に認められなくても、事実婚でも全くかまわないし、上手いこと勝手にやっていこう、という気分です。しかし、私のような図太い神経の持ち主ばかりではないし、現実に不利益を受けていながら現状に立ち向かう元気のない人、そのすべを知らない人もいる。さらに、これはひいては戸籍制度やそれにより生み出されてきた差別にかかわる問題でもある(私もそもそも戸籍制度自体に疑問を感じたのが始まり)。やはり見過ごす訳はいかない、と思い直します。


私の友人のひとりは「日本は暮らしやすいけど生きづらい」と言っていました。

私もずっと、喉の奥のほうに、吐き出せないし飲み込めない、何かカタマリを抱えたまま生きているような気分です。


そんなことを考えていたところ、昨日のこのニュース。
夫婦別姓求め初提訴へ=「憲法違反」と国賠請求―東京地裁

今後の議論と裁判所の判断に注目していきたいと思います。
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by osorae | 2011-01-07 04:50 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)

女一生の働き方―貧乏ばあさん(BB)から働くハッピーばあさん(HB)へ

樋口 恵子 / 海竜社

樋口先生とは個人的な面識はありませんが、私が所属するNGO「国際女性の地位協会」(JAIWR)の会員であられることもあり、これまで会の集まりや主催する講演でなんどかお会いしたり(2007年秋のシンポジウムでは当時育休中だったよーへーさんを紹介し、男性の育児休業についてお話する機会もありました)、先生の講演を聴く機会があり、その度に元気を頂いてきました。

この著書は、あとがきにあるとおり、「今、日本で「おばあさん」と呼ばれる世代の女性へ、そしてやがて「おばあさん」になる現役世代の女性へ、現状のきびしさをしっかりと見つめながら、「おばあさん」になり「おばあさん」を生きることが楽しくなるような本」です。

以前から樋口先生は「高齢者問題は女性問題」あるいは「貧困問題は女性問題」とたびたび主張されてきましたが、本書でも「かつてBBと言えばべべと発音し、フランスの悩殺女優ブリジット・バルドーの代名詞であった。今のBBは貧乏ばあさんと呼んで、日本の特産品と言ってよい」(p43)と、様々な統計的データを元に、現行の社会保障制度、税制度の説明を交え、日本の高齢女性の厳しい経済状況、女性が貧乏になるしくみ、を解説、紹介されています。

 女性の就労は途切れ途切れのコマ切れで、多くの場合低賃金で不安定であり、老後の年金をはじめとする社会保障につながらない。つながっても低い。被用者年金では基本的に無職・低所得の妻は夫の傘の下に入るよう設計され、そこに誘導されるよう優遇措置が講じられてきた。
 (中略)
 生涯にわたる経済的不利益の総決算期が老後である。夫の収入を中心として暮らす時期は、社会保険料が免責される範囲で働くほうがトクでありラクでもあった。だが、年金は国民年金に比べて被用者年金の額が大きい。家族のために子育てや介護を担ってきた女性、女だからと低賃金に甘んじてきた女性は、老後にしっかりツケを回される。「貧乏」という名のツケである。(
pp41-43)

本書が紹介する2007年の総務省の調査によると、高齢者の就労動機は、男性が「健康を維持したい」が1位であるのに対し、女性は「収入を得る必要が生じた」が1位になっているそうです。

私自身、働いている年数は長くなりましたが、そのうち厚生年金に加入していたのは7年ほど。今後の就労がどういう形になっていくかはわかりませんが、少なくとも、老後、自分の年金だけではとうてい暮らしていけないと思います。「貧乏ばあさん」、人ごとではありません。

現実は厳しいですが、その一方で「どっこい、ばあさんは貧乏にめげないい、へこたれない」と、全国津々浦々の元気な「HB(働くばあさん)」の実情レポートは、本当に元気をもらえます。60歳を過ぎてから新しい仕事に就いたり、ずっと好きな仕事をこつこつと続けていたり、90を超えてなお元気に働く女性の事例も。

最終章では「貧乏ばあさん防止(BBB)計画」として「人生100年時代の到来を前に、人生後半の就労システムを確立する」ために、国や自治体・行政に望むこと、企業・組織に望むこと、それぞれ具体的な提言、「そして、何よりも女性自身、あなた自身に」という激励メッセージが掲げられています。長くなりますが、そのうち胸に響いた二つを引用させていただきます。

辞めない。辞めてもあきらめない。職業社会にとって、女性はまだ歴史の浅い新参者。女性が働きにくいのはあたりまえ。これは人生50年時代の産物だ。人生100年時代を迎え、男たちもこのシステムでは息苦しさが増してきた。今がチャンス。自分を生かし、他者を支える、働くことを通した人生を打ち立てよう。

ひとりで考える時間を持とう。他者の意見に耳を傾け、生の情報を集めつつ、考える力を養おう。ひとりの力量がゼロでは何も始まらない。一人ひとりが力量をつけてこそ、職場で地域で時代をつくる力になる
。(p232)

私自身は、常々、何らかのかたちで一生、死ぬまで働きたいと思っていますが、「働く」「働かない」の意思決定は個人の価値観によるものであり、あるいはそれぞれの家庭の状況により、時々の状況により、異なることは当然です。

ですから、「みんな働け!」というのではなく、樋口先生も書かれているとおり、まずは「女性の非就労者のなかから、できるだけ「不本意無職」をなくす」ことが必要であり、そのための就労システムの確立が当面の課題となると考えます。

本書を読んで、きちんと現実を見据えた上で、まずは身体を健康に保ち、常に学び続けることで人から必要とされる存在でありたい、さらには、誰もがより生きやすい社会に変えていく力になりたい、と誓いを新たにしました。
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by osorae | 2011-01-05 05:30 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)

子育てを楽しむ本―愛情さんさん、自分流がいちばん

柴田 愛子 / りんごの木


りんごの木」代表で保育者の柴田愛子さんの著書。保育者として長年多くの子どもたちに触れてきた著者のことばには優しい説得力がありました。

昨日と今日と違う怒り方をしちゃいけないとか、夫婦は同じ価値観で怒った方がいいとか言われたって、そうはいかないことが多いんですよね。模範的に生きることはできないけれど、冷静になったとき反省したら、
「ちょっと怒りすぎたわ。ごめんなさい」
と素直に謝ればいいんじゃないかしら。さもなければ、寝顔を見て言うの、
「すみませんでした」
(中略)
おとなもこどもも人間同士、誠意を持って暮らしていけば、愛情もって見つめあっていけばいいんじゃない。完成したおとながこどもを育てていくんだなんて、おこがましいですよね。立派なおとうさん、おかあさんになるというより、正直な人間のままでいいんじゃないかしら。誠意をもっていればね。
(pp.41-42)

この部分、読みながら日々の自分を振り返り、ちょっとだけ「ああ、それでもいいんだ」と思わせてくれました。

本当に毎日のように口うるさく怒って、その度に反省してそらちんに「ごめんなさい」と謝ってばかりの私です。謝るたびにそらちんは「いいよー」と言ってくれます。毎日「そらちん、お母さん大好き」と言ってくれます。

よく親の子どもへの愛を「無償の愛」と表現しますが、子どもの親への愛こそ「無償の愛」だなあと日々感じています。

だから、今年の私がいつも心に留めておきたいことはやはり、
「のんびり、ゆったり」
「おおらかに」
「人にも自分にも(あえて)あまく!」
「何度でもやり直す」
「笑う」
「ため息をつかない」
「『面倒くさい』と言わない」

そして「よいお母さんではなく笑っているお母さん」になりたいです。今年は特に意識して。

「よいお父さんではなく笑っているお父さんになろう」とはファーザリング・ジャパンの安藤哲也さんがのことば。「お母さん」も同様ですよね。


そして、本書の「子育てって、こどもの後ろに立つことなのね」という章のこの部分も、常に心に。

 こどもの前に立って引っぱるんじゃなくて、こどもの後ろに、近すぎず離れすぎずにいてあげる。
 こどもが振り返ってわぁーと泣いてきたら、抱いてあげる。
 こどもが後ずさりしてきたら、おっとっとって、背中を支えてあげる。
 そして、安心したら、行っておいでってポンと押し出してあげる。
 世間のいろんなことにわずらわされないで、その子の後ろに立っててあげること。それが子育ての基本だし、それがこどもの心に添うということでもあると思います。
 それは、親だけでなく、保育者にも当てはまります。こどもが今、何をやろうとしているのか。そのことを見ていてあげること。教えるのは次でいい。
 ○○ができたら、人生が歩きやすいかもしれない。
 ○○ができたら、人間関係はうまくいくかもしれない。
 でも、その子が自ら獲得していったときに、その子の本物になっていく。
 自分から一歩踏み出さなくちゃならないのです。
(pp126-127)
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by osorae | 2011-01-04 23:59 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(6)

生まれてバンザイ

俵 万智 / 童話屋

歌人 俵万智さんが、息子さんの妊娠・出産から幼稚園を卒園するまでの間に詠んだ歌を集めた歌集です。

俵さんは前書きで、子育ての歌は「生モノ」だと表現しておられましたが、そのときの一瞬の新鮮な想いがそのまま残されて伝わってくる歌集でした。こんな風に自分の気持ちをことばに載せられる感性。素敵な才能だなあと思いました。

心に響く歌がいくつもありましたが、特に心にのこった歌をここにご紹介させていただきます。


バンザイの姿勢で
眠りいる吾子よ
そうだバンザイ
生まれてバンザイ

揺れながら
前へ進まず
子育ては
おまえがくれた
木馬の時間

一生を
見届けられぬ寂しさに
振り向きながらゆく
虹の橋
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by osorae | 2011-01-04 23:58 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)
先日岡本を歩いていて見かけた販売員さん。その手に持つ「ビッグイシュー日本版」の最新号の表紙はムーミン。作者トーベヤンソンの姪のインタビュー記事が掲載されていました。

一時期は毎号購入していたのですが、最近ちょとご無沙汰していたビッグイシュー。現在トーベヤンソンブーム到来中の私はすかさず販売員さんに駆け寄り、久しぶりに1冊購入しました。

最新号のもうひとつの特集は「幸せの人生レシピ2」でした。偶然にもこれも以前からお気に入りの特集。読者からの悩みにビッグイシュー販売者が答える「ホームレス人生相談」に、料理研究家の枝元なほみさんが一つひとつの悩みと回答にあわせたレシピを紹介しています。

以前この特集を読んで素晴らしく気に入り、単行本化されたものも購入。ときどき開く、私の愛読書のひとつです。

世界一あたたかい人生相談幸せの人生レシピ―ホームレス人生相談&悩みに効く料理

枝元 なほみ / ビッグイシュー日本

ホームレスとして生きる販売者の皆さんのコメントは、どれも読んでいてほろっとします。枝元さんのレシピはいずれももちろん美味しそうで、加えてレシピに添えられたコメントが温かくて。お料理って、人を慰めるためのものなのだなあと感じます。

他の連載記事も久しぶりに読みましたが、やはりなかなか中身が濃いです。この雑誌を通して初めて認識した社会問題も多々あります。

ホームレス支援のため、ということだけでなく、読み物としておすすめの雑誌。購入できる場所が限られるのですが、読んだことのない方は、販売員さんを見かけたら一度手に取ってみられてもいいのではと思います。
(今読んでいたら勝手に宣伝したくなったのでこの記事を書きました。)
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by osorae | 2010-10-10 04:55 | 私の読書日記 | Trackback | Comments(0)

私(りか)と夫よーへーさん、娘のそらちん&おはるの四人家族。そのどうってことのない日々のあれこれ。


by osorae
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